花粉症対策

花粉症と日本のスギ多すぎ問題-スギの歴史と悪化する花粉飛散量-

ブログ「モノオス」スギの花粉でサラリーマンが苦しんでいる画像(スギの現状と2035年になっても花粉症が減らない理由)
当ページのリンクには広告が含まれています。

いまや患者数は国民の約3割と推計されるなど、社会的に大きな問題となっている花粉症。

わたしもかれこれ20年以上花粉症で苦しんでいます(涙)

あの鼻のムズムズ感や倦怠感がつらいので、

病院に行って、薬飲んだりレーザーとかして症状抑えて、さらにマスクしたり、服についた花粉をはらったりして…etc

と、健気けなげに花粉から身を守っているわけですが、冷静に考えたら、

モノオス
モノオス
早くスギ切れよ!

と思うわけですよ。

そんななか、先日、すごいインパクトのツイートを見ました。

毒ガスかよ!って感じですが、

そもそもなんで日本にはこんなにスギがあるのか意味がわかんないし、腹立ってきたので、スギのことをいろいろ調べてみたんです。

その結果、

15年後の2035年は今より大量のスギ花粉が飛んでいることがわかりました(チーン)。

モノオス
モノオス
知りたくなかったわ、この未来

というわけで、本記事では日本におけるスギの状況をまとめながら、なぜ今後もスギ花粉症が改善されないのかについて書いています。

↓花粉症の治療方法(体験記)を見たい方はこちらをご覧ください↓

なぜ日本はスギが多いのか?-スギの歴史と花粉症-

花粉症にとってにくたらしいスギですが、そもそもなんでこんなに日本に生えているのでしょうか?

まずはその歴史を調べてみました。

日本におけるスギの歴史

まず、われわれの祖先とスギとの接点は早くて、なんと弥生時代にはスギを水田の矢板として使っていました。

ブログ「モノオス」弥生時代にスギを水田の矢板として使っている絵の画像引用:嵐山町web博物誌
モノオス
モノオス
そういえば日本史で習ってたよね

としみじみ思った次第です。

つづいて奈良時代。

書物「日本書紀」では、スサノオノミコトがスギの使い方について記しています。

『杉および樟、この両の樹は、もつて浮宝(舟)とすべし。檜はもつて瑞宮(宮殿)をつくる材にすべし』

訳:スギ・クスノキは舟に、ヒノキは宮殿につかうように

スギは加工しやすかったので、生活のなかでよく利用されていたようです(今もそう)。

その後、スギの香りや年輪の模様の美しさに着目し、芸術に活用されたりもしますが、

太平洋戦争の時に、軍需目的(資材・燃料)で大量に伐採ばっさいされました。

その結果、山地は荒廃して、台風や水害の被害が大きくなってしまったのです。

ここでターニングポイント!

今までは自然に育ったスギを切って利用していましたが、

  1. 戦中・戦後の大量伐採ばっさい荒れた山地を復旧させるため
  2. そして高度経済成長期に住宅を大量に建築するための木材として

スギ(とヒノキ)を大量に植えていったのでした(1950年「造林臨時措置法」)。

ブログ「モノオス」スギの人工林

スギを植えた理由は、

  • 成長がはやい
  • 加工がしやすい
  • 建築材・家具材など幅ひろく使える

など、とにかくコスパが高いからでした。

スギ花粉症の発見と、その後の残念な展開

ママさん
ママさん
スギの歴史はわかったけど、花粉症はどうなったのさ?

ということですが、戦後のスギ植林の結果、いかに残念な展開になっていくかをご覧ください。

ハゲ山となった山地を復旧するため、そして大量の木造住宅を建てるために

政府
政府
スギ、植えようぜ!

と方針を立てた政府。

しかし、この当時は「スギの花粉が人間にアレルギー症状を引き起こすこと」を誰も知りませんでした。

そして、1964年に初めてスギ花粉症が学会で発表されます(斎藤洋三氏の「栃木県日光地方におけるスギ花粉症 Japanese Cedar Pollinosis の発見」

この時点でスギを植えるのをやめたら良かったのですが、

実はスギは植えてすぐじゃなく、30年以上たってから花粉を飛ばすKYな木だったのです。

ブログ「モノオス」スギが花粉を飛散している画像じらしてから飛ぶ!

なので、時間差をつけた1990年代に大量の花粉が飛散し、日本で花粉症が問題になっていったのでした。

イヤなことは連鎖となって

しかも、です。

1964年に木材輸入の貿易自由化が始まったことで、海外から安い木材が輸入されるようになります。

その結果、国内の林業が衰退。スギを切る量がますます減っていきます

また、国内の都市化が進んでアスファルトやコンクリートが増えた結果、一度地面に落ちた花粉が風で何回も舞いあがって再飛散するようになりました。

ブログ「モノオス」黄砂に覆われる京都の画像黄砂に包まれる日本のまち(引用:wikipedia)

そのほか、中国の黄砂やPM2.5、食生活の欧米化、ストレスの増加なども花粉症の悪化の一因となっています。

現在のスギの量と分布

それでは日本には現在、どれくらいのスギがあるのでしょうか?

まずは日本における森林の割合から見ていきましょう。

ブログ「モノオス」林野庁の統計資料(森林面積に占めるスギ・ヒノキ人工林の割合)引用:林野庁(平成29年3月31日時点の森林面積に占めるスギ・ヒノキ人工林の割合)人工林のうち「スギ」「ヒノキ」「その他」に記載した割合は、人工林面積に占める割合を指す

林野庁の統計資料をみると、

日本の国土面積(3,779万ヘクタール)の約7割が森林(2,505万ヘクタール)で、

その森林面積の約4割が人工林面積(1,020万ヘクタール)なんですが、

おどろくことに花粉症の原因となるスギ・ヒノキが約7割を占めています。

モノオス
モノオス
花粉症になる木植えすぎ!

さきほど、スギ花粉は30年以上経つと育つことを書きましたが、植えたスギの今の年齢を見てみると、

ブログ「モノオス」林野庁の統計(スギ・ヒノキ人工林齢級(森林の年齢)別面積)に樹齢適齢期を加えてまとめた図林野庁の統計(スギ・ヒノキ人工林齢級(森林の年齢)別面積)に花粉樹齢をまとめた図

今の日本は大量のスギ花粉がちょうどいい具合に育った状態になってます(;´Д`)

しかも、この先15年はそれなりの量のスギが適齢期になって加算されるので、

どんどんスギを切らないと今より花粉の量が増えていくはずです。

ブログ「モノオス」おばけのQ太郎がゴクリとつばを飲み込むアスキーアート

ちなみに、日本のどの地域にスギが植えてあるのでしょうか?

ツイッターを見ていたら、

といった感じで、

モノオス
モノオス
なんか花粉多い地域多くね?

て思いますが、結果は、

 

ブログ「モノオス」林野庁の統計資料(スギ・ヒノキ人工林の全国分布)引用:林野庁(スギ・ヒノキ人工林の全国分布。平成29年3月)

リアルに日本中にスギが植えられてました(爆)

そして、沖縄!

天国かっ!!!

スギ花粉に対する政府の対策

悪しきスギ花粉。

この国民病に対して政府はどのような対策をおこなっているのでしょうか?

結論をさきに言うと、

政府
政府
一気に切ったら水害や山地崩壊の原因になるしなぁ
政府
政府
切った木も有効に使わなきゃだしね

という背景のもとで、まったりとした対策になっています(早く切ってよ!)

何するかを簡単にいうと次の3点です。

花粉症発生源対策3本の斧
  1. 花粉のあるスギ人工林を切る
  2. 花粉の少ないスギを植える
  3. スギ花粉の飛散防止剤を開発して実用化させる

しかも、林野庁は2032年までに花粉の少ないスギ苗木のシェアを7割に増加させることを掲げています。

ブログ「モノオス」林野庁が花粉のないスギの生産を2032年までに7割に増やすと目標を掲げているポスター引用:林野庁(花粉の少ない苗木PRチラシ
ママさん
ママさん
すごーい!!

たしかに嬉しいですよね!

でも、別のグラフを見てみると違和感がでてきます。

ブログ「モノオス」林野庁業務飼料(花粉症対策苗木の生産量等の推移)引用:林野庁業務飼料(花粉症対策苗木の生産量等の推移)

このスギの苗木生産量推移グラフの右端・平成28年を見ると、スギ苗木2,118万本のうち、花粉症対策スギが533万本になっています。

ということは、花粉の出るスギを1,585万本植えてることになるんですよね。

モノオス
モノオス
こんな状況なのに、花粉の出るスギを植えるとかアホ?

という怒りがわいてきます。

そして、花粉の飛散防止剤は今も開発途中で、いつかれるかわからないのが現状です。

さらに、3本の斧の対策はあくまで人工林だけなので、森林の5割を占める天然林にあるスギは何もしないことを思うと、

モノオス
モノオス
本気でスギ花粉を解消する気ないんだろ?

と思ってします(花粉症マーケットがおいしいんだろ!!)

スギの状況と悪化する花粉症のまとめ

ブログ「モノオス」スギの花粉でサラリーマンが苦しんでいる画像(スギの現状と2035年になっても花粉症が減らない理由)本記事では日本におけるスギの状況をまとめてきました。

これまでの人生で将来の花粉飛散量を考えたことはなかったんですが、今回調べて絶望しました_| ̄|○ガックシ

とりあえず、このままのペースだと15年先の2035年は今よりエグい量のスギ花粉が飛散していることを覚えておいてください。

もしかしたら、

画期的な発明で花粉症がやわらいでるかもしれませんが、そもそも原因となるスギを切っていないからね。

というわけで、年金と同様でセルフケア(自衛)をしていくのが大切だと思います。

以上、モノオス(@monoosu2019)でした。

↓効き目のあった治療のレビューはこちらです↓