人生のどこかで、「もっと自分に自信を持ちたい…」とか「もっとできる男になりたい」といったことを考えることがありますよね。
こういうとき、わたしは先人の知恵がつまった自己啓発本を読んでいます。
たとえば、スティーブン・コヴィーの『 7つの習慣』とか、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』とかP.F.ドラッカーの『マネジメント』とか。
そんな自己啓発本ですが、今回は、アメリカの作家オグ・マンディーノが1968年に刊行した『世界最強の商人』を紹介したいと思います。
なんといっても、他の自己啓発本と比べて、とにかく読みやすいです!
そして名言が多い。だから、記憶に残ります!
そんな『世界最強の商人』ですが、
- 自分に自信がない人
- 人生を変えたいと思っている人
- 意識が高い人
に特におすすめしたいです。
というわけで、本記事では「『世界最強の商人』の感想、名言について書いていきます。
オグ・マンディーノ『世界最強の商人』の魅力
それでは、『世界最強の商人』の魅力を紹介いたします。
とにかく読みやすい
まず本書のあらすじですが、
教えを守ると世界最強の商人になれる
―ある善行がきっかけで、少年ハフィッドは師から突然、成功のための秘訣が書かれた10巻の巻物を譲られた。巻物の教えに従い大成功した彼は、巻物を継ぐにふさわしい人物を密かに待ち続ける。
時は流れ、年老いたハフィッドを埃まみれの青年が訪ねてくる。二人を結びつけたのは“奇跡”だった…。人生の成功の原理と真実を説き、世界中の経営者たちが愛読した名著、山川夫妻の名訳で刊行!
amazonの本書内容(「book」データベースより)
でわかるとおり、本書は物語で自己啓発(巻物の内容)を語る構成になっています。
ということで、
- 物語形式なので、とにかく文が読みやすい。
- しかも189ページの短編なので、すぐ読み終わる!
というところが嬉しいです。
教えを習慣化させようという試み
次に、巻物の第一巻で、巻物の読み方が説明されます。
私はそれぞれの巻物を30日間、ここに規定された方法で読み続ける。そして、それを終えるまでは、次の巻物に進んではならない。……………
その後でやっと次の巻物に移り、このやり方をまた30日間続ける。
ということで、
10巻の巻物を1巻ずつ、1日3回(1・2回目は黙読、3回目は音読)30日間読み続けることを推奨しています。
と思ったかもしれません。
では、なぜ作者は、こんなことを言っているのでしょうか?
失敗者と成功者の間にあるたった一つの違いは「習慣」の違いだ。
私は良い習慣を作り、その奴隷になろう。
巻物の一巻一巻には、私の人生から悪い習慣を追放し、私を成功に近づける良い習慣に置き換える原理原則が書かれている。
習慣は別の習慣によってのみ変えることができる。
ということで、巻物を毎日読むことでプラス思考を習慣化させようとしています。
そういう意識付けを本のなかで課しているところが面白いですね。
巻物のアドバイスが、人間の本質をついている
巻物は、昔も今も変わらない人間の本質的な特徴を挙げたうえで、人生で成功するための原理原則をアドバイスしています。
だから、
って感じるかもしれません。
でもね、
本質的なことって、どこかで聞いたことあるような話かもしれないけど、いつの時代になっても通じるんですよね。
しかも、『世界最強の商人』は、上手に翻訳されているから、すごく表現がわかりやすいです。
- 短めの文章
- 大事なところはゴシックで強調
- ちょっと大げさだけど、わかりやすい言い回し
だから、ありきたりな題材でも、『世界最強の商人』は読みがいがあります!
ということで、次の章では『世界最強の商人』の具体的な名言をいくつか紹介します。
オグ・マンディーノ『世界最強の商人』の名言
それでは、『世界最強の商人』の名言を見ていきましょう!
成功と失敗に対する考え方
もし、成功しようとする決意が十分に固ければ、失敗することはない
『世界最強の商人』では、諦めなければ失敗はない、と考えています。
一方、失敗はと言うと、
失敗とは、それが何であれ、その人生の目的に到達できないこと
と定義しています。
それでは、わたしたちは失敗せず、成功するためにどうしたらよいのでしょうか?
巻物では、成功に近づけるよう、アドバイスや考え方を教えてくれます。
私は成功するまでがんばりぬく。
今日から、私は毎日の努力を固い樫の大木に加えられる斧の一撃だと考えよう。
最初に打ち込んだ一撃では、木は微動だにしないだろう。第2撃も、そして第3撃も同じだ。それぞれの一撃は無力であり、何の結果ももたらさないように見えるかもしれない。
しかし、この子供のような一撃が繰り返されることによって、樫の木はついには倒れる。私の今日の努力もまさにこれと同じなのだ。
すごくイメージしやすい例えです。
まさに子供のころ、九九を覚えるために、逆上がりをするために、いつできるかわからないことを繰り返し練習しましたね。
でも、大人になるにつれて、だんだんこういう斧の一撃を打たなくなりました。
今から5年ほど前、30代のわたしは『世界最強の商人』を読んでいて、ふと、昔のことを思い出しました。
「なんで大学生の頃は、あんなに毎日がドキドキしていて、楽しかったんだろう」
わたしの答えは、こうでした。
「まず、試していたからだ。思いついたこと、与えられたことをトライして、攻略しようとしていたからだ」
そう思うと、淡々と働いている今のままでいいんだろうか、と悩みました。
そして、青臭いですが、
「やっぱり今も、あの頃のように毎日をドキドキしながら過ごしたい」
と考えました。
これを機に、わたしは大学時代のように、仕事でも家庭でも与えられた課題や自分の関心事を攻略するために、一撃を打ち続けるようにしています。
今、人生を終えるとしたら、悔いはないか
私が今日が人生の最後の日だと思って生きよう。
私は時間を無駄にするものは、極力、避けようと思う。ぐずぐずと延期することはやめ、直ちに行動しよう。疑いは信頼のもとに葬ろう。恐怖は自信をもって断ち切ろう。無駄口には耳を貸さない。怠惰なものとは付き合わない。怠け者には近づかない。……………
私が今日が人生の最後の日だと思って生きよう。
そしてもし、今日が最後の日ではなく、明日も生きていられたならば、私はひざまずいて神に感謝しよう。
人生は、自分が思っているより、ずっと短いかもしれない。
大きな物事を成し遂げた人は、「人間は、いつか必ず死ぬ」という現実を織り込んで生きています。
アップルの創設者であるスティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業祝賀スピーチで、こう述べました。
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」
と思うかもしれません。
わたしも自分が今日、人生が終わるという思いで過ごしていません。
でも、そのもしもがあるとしたら…。
わたしは家族と一日でも多く笑い合えることを願いたい、と思いました。
もしもはいつ来るのかわかりませんが、一日のうち家族と向き合う時間を大切にし、次の日を迎えられることを感謝する気持ちを大切にしています。
気分の浮き沈みは悪いもんじゃない
私は毎朝、昨日とは違った気分で目が覚める。これはほとんど理解されていないが、自然のいたずらの一つである。昨日の喜びは今日の悲しみになる。
しかし、今日の悲しみは明日の喜びになる。私の中には一つの車輪があり、それが常に悲しみから喜びへ、高揚した気分から沈んだ気分へ、幸せから憂鬱へと回転している。花と同じように、今日の満開の喜びも次第に色あせて枯れてしまう。
しかし、今日枯れた花も明日の開花の種を宿していることを忘れずにいよう。同様に、今日の悲しみは明日の喜びの種を宿しているのだ。
「悲しみは悪」ではないですが、なかなか悲しみから抜け出せないとき、周りだけでなく自分も、悲しんでいる自分を責めることがあります。
でも、人間の気分は浮き沈みがあり、これは循環している。
そう知るだけで、すごく勇気づけらるし、ちょっと冷静な目で悲しみを受け止めることができます。
華はないけど、すごくいいフレーズだと思いました。
それでも悲しいとき、自分を救う言葉
それでも悲しいときは、どうしたらよいのでしょうか?
巻物は、その方法も教えてくれています。
私を傷つけ、涙を流させ、思わず呪ってしまうような人や出来事に遭遇したとき、私はどうやって笑顔を保つことができるだろうか?
そんな場合、私を救う魔法の言葉がある。ユーモア精神が消えそうなときも、この魔法の言葉がすぐ心に浮かぶように、習慣になるまで自分を訓練しよう。この魔法の言葉は太古の昔から伝えられてきたものであり、私をあらゆる災難から救い出し、バランスのとれた人生へと導いてくれるだろう。それはこんな言葉だ。
「これもまた過ぎ去っていく」
起きてしまった痛みは、心にとどめていては苦しいだけです。
だから、つらいときは頭のなかで唱えます。
「これもまた過ぎ去っていく」
弱者の感情の整え方
弱者とは、自分の感情が行動を支配するのを許す人のことである。
強者とは、自分の行動によって感情を支配する人のことである。
巻物では、特に弱者に注目しており、自分の感情をいかにコントロールするかを説いています。
たとえば、マイナス思考になっているときは、
もし、気分が沈んでいたら、歌おう。
もし、悲しかったら、笑おう。
もし、怖かったら、頭から飛び込んでゆこう。
もし、劣等感を感じたら、新しい服に着替えよう。
とアドバイスしています。
一方、自分が調子に乗っているときも、
もし、自信過剰になったら、失敗したときのことを思い出そう。
もし、贅沢になったら、昔の飢えた日のことを思い出そう。
もし、自己満足に陥ったら、競い合っていたときのことを思い出そう。
もし、自分が全能だと感じたら、風が止められるかどうか試してみよう。
と、注意をしています。
わたしも自分を小さくも大きくもみせず、等身大でいられるよう、感情を整えたいものです。
そして、行動する。
私は今、行動する。
私の行動を引き止め、遅らせるものは、恐怖心から生まれる。どんなに勇気のある人でも、心の奥底にはこの恐怖心があるのを、私は知っている。
恐怖心を克服するには、「ためらわずに、今直ちに行動する」ことだ。そうすれば、心の動揺も消えるのを私は知っている。行動すれば、ライオンのような恐怖心もアリのように小さくなって、心が落ち着いてくることも私は知っている。
と、デキル人間をみると、自分と違う理由を探してしまいます。
確かに、自信がある人は、いろいろチャレンジしているかもしれません。
でも、人間は、誰もが心の奥に恐怖心を持っている。
そう思うと、少し安心しませんか?
デキル人は、恐怖を乗り越えるために「今、行動する」ことで、自信をつけたのかもしれません。
わたしは、このことを知ったことで、すごく勇気づけられたし、わたしもその一歩を踏み出してみようと思いました。
オグ・マンディーノ『世界最強の商人』のレビューまとめ
最後に『世界最強の商人』の魅力をまとめます。
- 話が短いので、すぐ読み終わる(189ページ)
- 物語と自己啓発を混ぜた作品で楽しく読める
- 文章が平易でわかりやすい
- 人間の本質を捉えたアドバイス
- とにかく名言が多い!
ということで、最初に読む自己啓発書としておすすめです。
悩んでいるとき、自分を変えたいとき、
『世界最強の商人』のシンプルなメッセージは、あなたを勇気づけてくれるはずです!
以上、モノオス(@monoosu2019)でした!