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近年、サイバーエージェントが提供するエンタメの勢いはすごいですよね。
フォーブス誌によると、2019年3月時点の藤田晋社長の総資産は1170億円で、日本長者番付42位とのことです。
個人的には、
藤田晋社長といえば奥菜恵と結婚して離婚したIT企業の社長というイメージが強かったので、
と思いながら、興味本位で自叙伝『渋谷ではたらく社長の告白』を読みました。
本書は藤田社長の高校時代からサイバーエージェント創業後7年目までを描いたストーリーですが、正直、めっちゃ面白かったです。
藤田社長の思ったら即行動するし超プラス思考で読んでいて気持ちいいし、
話のなかで堀江貴文(ホリエモン)氏や楽天の三木谷浩史会長がでてくるところも興味深かったです。
というわけで、本記事では『渋谷ではたらく社長の告白』のレビューを書いていきます。
『渋谷ではたらく社長の告白』の見どころ
それでは、わたしが『渋谷ではたらく社長の告白』を読んで感じた見どころを紹介します。
上昇していく疾走感
少年ジャンプの漫画じゃないですが、この小説の見どころの1つは社長である藤田晋氏の成長ストーリーです。
高校時代に「将来ミュージシャンになりたい」と思うも限界を感じた藤田少年は、「それなら将来起業家になろう」と考えます。
猛勉強の末、青山学院大学に入学できたのですが、早々に雀荘に入りびたり、プロ雀士として働きながら2年が過ぎていきます。
そして20歳。
バーでいっしょにアルバイトしている先輩とのやりとりでこの物語が動き出します。
「藤田。お前の将来の夢って何なんだ?」
……恥ずかしいことに、私はその瞬間まで「起業家になる。会社をつくる」という夢を持っていたことを、ものの見事に忘れていたのでした。……
「将来の夢は……、会社をつくることです」
彼はうなずくと、真っすぐに私の目を見ながらこうつづけました。
「じゃあ、そこに向かって何かやれ。今のままじゃだめだ。その夢に近づく何かを始めるか、さもなくばこの店に就職しろ」
――さもなくばこの店に就職しろ。
先輩のその言葉に背中を押されるように、私は動き始めたのです。
その後、藤田社長は恩人や親友を裏切ったり、失敗しながらもサイバーエージェントを立ち上げ、会社とともに成長していきます。
で、
「ベンチャーってスピード感があって刺激的だよね」と思いつつ、
「でも自分の価値観と全然合わんな」と振り子のように思いがゆれながら読んでいきました。
特に初期の過剰な労働はネタのようです。
会社が始まってしばらくすると、私は週に110時間労働を目標に掲げ、日高にもそれを伝えました。
「週110時間ということは、9時に出社するだろ、そして深夜2時まで仕事する。それを平日5日間。あとは土日に12時間ずつ働くと11時間だ」と私。
「オッケー。どうせ今もそのくらいはたらいているからな」
日高は明るい声でそう答えました。
時計の針がぶっ壊れてる感じですが、なにげに日高がかっこいいですね。
もし、わたしが創業期のサイバーエージェントにいたら速攻退職していそうですが、
この状況のなか、このノリでこういう返事ができるような男がベンチャーで活躍するんだろうな、と感じました。
ちなみに、現在(令和元年12月31日)、日高さんは取締役副社長になってます!
時代の流れを体感できる
『渋谷ではたらく社長の告白』では、インターネットバブルとその崩壊に直面するサイバーエージェントが描かれています。
インターネットバブルは、1999年にアメリカのインターネット関連株(ヤフー、ネットスケープ、アマゾン等)が急騰したことをきっかけに、世界中のドットコム企業に波及していった景気変動。
急に学生からの応募が増え、業界が盛り上がりをみせていく展開も面白いですが、
わたしが一番関心をもったのは、サイバーエージェントが東証マザーズへ株式上場するタイミングです。
サイバーエージェントはインターネットバブルがはじける前に上場し、藤田社長は26歳にして300億を超える資産を手に入れます。
偶然か必然かはわかりませんが、場が冷めるまえに事をなした藤田社長にブルっと震えました。
有名な社長がたくさん登場する
『渋谷ではたらく社長の告白』を読んでいると、ちょくちょく有名なIT企業の社長が登場してきます。
具体的には、GMOインターネットの熊谷正寿会長、㈱USENの宇野康秀会長、村上ファンドの村上世彰氏、楽天の三木谷浩史会長兼社長などです。
株主としての相談関係であったり、ビジネスパートナーであったり。
出会いはさまざまですが、業界のリーダーたちを”敵”としてみるのではなく、持ちつ持たれつしながら交流しているさまがわかって面白かったです。
関係図はこんな感じ。
そのなかで、一番関係性に興味を持ったのは堀江貴文氏(ホリエモン)!
『渋谷ではたらく社長の告白』を読んで初めて知ったんですが、藤田社長とホリエモンは商売相手だったんですね。
サイバーエージェントの初期の主力商品『サイバークリック(クリック保証型バナー広告)』のシステムをオン・ザ・エッジ(のちのライブドア)の社長・ホリエモンが開発しています。
長髪で今よりだいぶ太っていた堀江さんは私が想像していたとおりの「おたく」的雰囲気を持っていました。動きも若干、挙動不審に見えました。
――しかし。
彼は話し始めると違っていました。溢れる野心。ただものではないと、その時直感しました。
インターネット業界はこれからどうなるのか―。
日本経済はどうなっていくのか―。異様に頭がきれる彼はこちらが理解しているかどうかもお構いなく話し続けます。
「あの……、それでクリック保証型システムは作れるんでしょうか?」
「できますよ」
「あんなの楽勝ですよ」
藤田さんから見たホリエモン像、おもろいですよね (^^)
そして、㈱USENの宇野会長と楽天の三木谷会長はかっこよく描かれてますので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
社長 藤田晋のキャラクターが熱い
『渋谷ではたらく社長の告白』の見どころで忘れてはいけないのが社長・藤田晋のキャラクターです。
小説だから自分をよく描こうとしているかどうかは定かではありませんが、わたしが藤田社長の特徴で面白いなぁと感じたところを紹介します。
ハードルを高くして追い込む性格
普通のサラリーマンの家庭でこれをしたら、絶対に金がたまらないし借金地獄になるかもしれない悪手なんですが、
藤田社長は会社の資金力に合わないレベルのオフィス契約を何回もするんです。
私は意図的に、身の丈以上の大きさのオフィスを借りて、中にいる人の気持ちを変えることを目論んでいました。
広いオフィスに少人数でいると、事業を拡大して、人を増やさないともったいないと考えますが、適正規模の環境にいると意外と人はその規模に満足してしまうものなのです。
少しギャンブル的な側面はありますが、急成長を目指すなら、遠慮がちに自分たちにふさわしい規模のオフィスから始めるのは、もしかしたら引越しが1回ムダになるだけかもしれません。
採用へのハンパない情熱
藤田社長は人材育成をすごく大切にする方です。
小説のなかでも「ベンチャー企業は特に優れた人材の採用と育成に力を入れないと拡大できない」と言っており、さまざまな仕掛けをしていきます。
表参道のオフィス環境、最先端のインターネットビジネス、若く士気の高い社員たち―。
私にとってみれば、すべては優秀な人材を確保するためのプレゼンテーションだったのです。
面白ですよね。
先ほどの身の丈に合っていないオフィスも、学生が「ステキ!こんな場所で働きたい」と思ってもらうための仕掛けだったわけです。
もうたいがい、逆張りなんです。
勢いと信じる心
「ベンチャーはこんなものなのかもしれませんが、やはり事業を決断するスピード感と思いきってまかせる姿勢がすごいです。
たとえば、急に大阪支社を作ろうと思いついたときのことです。
「ねぇ、渡辺君」
「なんでしょう?」
「大阪支社やんない?」
「は?」
「大阪支社長をやる気はない?」
「……でも、ぼく大阪いったことないですよ」
「おれだって2回くらいしかないよ」
数日後、私と渡辺は新幹線に乗って、大阪に向かっていました。
このあとすぐに古いビルを借りて、渡辺1人を置いて大阪支社が誕生するんですが、もうわたしなんかは
と、その勢いに感心した次第です。
『渋谷ではたらく社長の告白』レビューのまとめ
本記事では、サイバーエージェント社長である藤田晋氏の著書『渋谷ではたらく社長の告白』のレビューを書いてきました。
個人的には、
- 藤田社長の人柄や交友関係を知れたこと
- インターネットバブルとその崩壊という一時代を藤田社長の視点で振り返れたこと
- プラス思考の藤田社長に元気をもらったこと
という点で楽しめた一冊でした。
そして、結構、藤田社長とサイバーエージェントが好きになりました。
で、
と決算資料を調べてみたら、
めっちゃ業績拡大しているし!!
赤点線が『渋谷ではたらく社長の告白』の舞台ですが、そっから16倍ですよ!
うーん、もっと早くこの本を読んでおけばよかったと後悔したわけですが、
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これからもサイバーエージェントと藤田社長にはワクワクさせてもらえそうです。
\藤田社長が参戦する麻雀番組もある!/
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以上、モノオス(@monoosu2019)でした。